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書店で「一夜にして現代日本文学の風景を変えてしまった 芥川賞受賞作」というキャッチコピーを見て、「じゃ、いっちょ風景を変えてもらおうじゃないか!」と買った川上未映子著『乳と卵』。
……風景変わりました。確かにこれは一種の才能なのでしょうけれど、この文章表現(文体)には、少なくとも僕はついていけません。というか、読みにくいし、わかりにくいです。いや、それが個性で味なんですよね。そうだと思います。かつて見たことなかったし。見方を変えれば美しい。でも、ちょっとなぁ……。 何を言ってるか、未読の方にはわからないと思うので、解説します。 たとえば、長文を「。」で区切ることなく、いくつもの「、」でつないで、途中で主語・述語の関係も崩して、だらだらと(もしかして、「芸術的に」かも!?)8行くらい続けてしまうわけです。ちょっとだけ引用しますね。 「シーツを干してもどって来て、なんか食べなと思ってはみても、冷蔵庫には飲み物と葱とドレッシング、味噌ぐらいしかなく、開き戸の内側にはびっしり玉子だけが並んであって、プラスチックの棚にもパックで十個入りのがまるまる残ってあるだけで、先週に、まだ先に買った分が残ってあることをうっかり忘れて重ね購入したのを思い出して、どっちが腐ってるやろかと日付入りの紙きれを見れば、戸の内側のは賞味期限は明日まで、パックの方も明日までで、しかしこのような大量は今日明日での消費は無理、わたしはパックの方を取り出して流しの脇に置き、生ゴミの袋をつくらな無いな、と思い、玉子の捨てかたはいつも割って中身をほかすか、そのまま投げ入れるかそっと置くのかがようわからない。」 これはまだ内容がわかる方なんですが、基本的に文章はこの調子で流れて行きます。これを「おお、すごい。美しい文章の流れ!」と思えればこの一冊はオススメです。ただ、僕は苦手です(苦笑)。関西人なので関西弁にまったく抵抗がありませんが、そんなことを超えてこの文体は苦手です。 中学の頃から「読む人にわかりやすい文章」「ひかかりの少ない、よどみなく流れるように理解できる文章」を書くことを標榜し、試行錯誤を繰り返してきた僕にとっては「"天敵"現る!」って感じの文章でした(笑)。 と、文体のことばかり書いてしまいましたが、本書を読む中ではそこを乗り越えるのが大変で、何度ももどって読み返しながら内容を理解していったものの、全編読み終えてみれば、「なるほど、こういう筋ならば、普通の文体で書くよりこういった文体で書くべきなんだな」と思いました。 ある意味、「詩」のようなものだと思えばいいのかなぁ。
by takezakit
| 2010-10-05 22:04
| 小説&書籍
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