東野圭吾著『さまよう刃』を読了。
自己中かつ暴力的な未成年に、自分の子供が酷い目に遭わされた挙句殺された父親の復習劇。残酷な行為や殺人を犯した「未成年」と、その犯人を殺そうとする「成年」(父親)のどちらが法によって守られるべきなのか? という、「何が正義か」的テーマの作品でした。
いやはや実に、読んでいて辛くなる小説です。でも、この小説で書かれた事件は現実に起こりうることであって、少なくともこういった問題が議論し尽くされる世の中であって欲しいと思います。
国家の行く末を考える役割を担った人が、本来考えるべきことを考えずにやるべきことを放棄する現実や、心ある人が必ずしもそういった立場に行きつけない政治の仕組みは、なんとも悲しいですね。最近、そんなことを考えざるをえません。