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週末の夜にちょこちょこ作っていた会議資料を朝からブラッシュアップして、今日は大切な会議に臨みました。ホントに大切な議案だったので、気合い入りすぎて疲れるほどでした(苦笑)。
その議案の話を書くわけにもいかないので(笑)、またまた読書中の本の話など。野沢尚著『ひたひたと』を読んでいます。 この本には、5話で完結する予定で書かれていた連作作品のうちの2話(2話まで書いたところで作者の死によって未完となる)と、未発表作品のプロット(あらすじのようなもの)が収められている。 どちらも"未完成"の作品ということになるわけだが、特に連作作品の2編はそれぞれが独立した短篇になっていて、とても完成度が高く、面白い。溢れるように「感情的な」作品なのだ。五角形の部屋に男女5人が集まって、"一生、胸の奥にしまいこんで他言しないと誓った秘密"を語り合うという設定だから、その内容は、なかなかに残酷で複雑な物語なのである。 2人目までの告白で物語は未完となるが、あと3人にはどのようなおぞましい秘密があったのかと想像を巡らすだけでクラクラする。そんな力のある作品なのだ。 もうひとつの「プロット」も、作者が小説を書くに当たっていかに細かいところまで構成を練っていたかという実に勉強になるプロットなのだ。プロットだけで文庫本150ページ! しかも、それを読むだけで(まだまだひねりは足りないだろうが)物語の大きな流れはちゃんと伝わる。 野沢尚という作家の才能を実によく感じさせる1冊であった。
by takezakit
| 2007-06-18 23:09
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